ベイズの定理(Bayes Theorem)

このレクチャーでは、例を交えながら、ペイズの定理の基本的な内容を紹介します。

Overview

ベイズの定理は、条件付き確率を使って、次のように表現できます。

$$ P(A|B) = \frac{P(B|A)P(A)}{P(B)} $$

ここで、P(A|B) は、Bが起こったという条件のもとで、Aが起こる確率です。

ベイズの定理の真髄は、等号の左右で、$ P(A|B)$と$P(B|A)$が入れ替わっているところにあります。これを例を通じて実感してみることにしましょう。

クッキー問題

ボールが2つあって、それぞれにクッキーが40個入っています。

  • ボール1には、バニラクッキーが30個、チョコレートクッキーが10個
  • ボール2には、バニラとチョコレートが20個ずつ

目を閉じて、どちらかのボールから、クッキーを1つ取り出しました。このクッキーがバニラだったとき、ボール1を選んだ確率は?

Bをバニラクッキーを選ぶという事象という意味でV、Aをボール1を選ぶ事象としてB1と書くことにします。

$$ P(B_{1}|V) = \frac{P(V|B_{1})P(B_{1})}{P(V)} $$

文字を入れ替えただけですが、左辺は、バニラクッキーが選ばれたという条件のもとで、ボールが1番だった確率を表現しているので、求めたいものに他なりません。右辺のパーツをすべて計算出来れば、答えが出ます。

  • $P(V|B_{1})$ ボール1を選んだ時に、バニラクッキーがでる確率 $\frac{30}{40}$
  • $P(B_{1})$ ボール1を選ぶ確率 $\frac{1}{2}$
  • $P(V)$ バニラクッキーを選ぶ確率 $\frac{50}{80}$

全部まとめると、

$$ P(B_{1}|V) = \frac{3}{5} $$

となります。